1.巷で話題の新言語Swift
アップルが6月2日,新プログラミング言語Swiftを発表しました.Swiftは従来のObjective-CやCと同じレイヤーで,iOS/OSXアプリを開発するための言語である.Cocoa/CocoaTouchフレームワークやランタイムを共有しつつ,Cとの互換性などレガシーを廃してモダンな言語仕様を取り入れたことで,Objective-Cよりも実行は大幅に高速でありながらシンプルに記述でき可読性が高く,保守しやすく,バグを出しにくいことを売りとしている.Swiftのコードはobjective-Cのコードと併存するので,既存のアプリのSwiftでのアップデートも可能である.
また,Swiftはデベロッパーに数多くの高速化を提供している.例えば,complexobjectのソートは,同じアルゴリズムのPythonプログラムよりも3.9倍速い.Objective-Cと比べても約1.3倍速いことになる.
2.今後の展望
SwiftはXcode6developerpreviewを通じて使用することができる.今後数ヶ月で一般向けにリリースされる予定である.現時点では,Swift言語がLLVM側にマージされるという確証はない.しかしARM64ビットサポートが先日マージされ,SafariのJavaScriptで使用されている高速JITでもその作業が行われていることから,LLVMのホストするClangランタイムに部分的には組み込まれていく可能性はある。これが実現すれば,Clangコンパイラのある他のアーキテクチャでも,Swiftを使ってプログラムを記述できるようになるだろう.