人生ゲームじゃないよ。ライフゲーム。正式名称:Conway’s Game of Life

20日目になりました。クリスマスも近づいてきて、年の瀬真っ只中。何とかクリスマス当日の予定は開けられそうなんだけど残る課題があと一つ。相手がいない。

USAです。

おリコウな学部でロボットのお勉強をしています。ドラえもんをつくりたい。

現実逃避もかねてゲームの話をしましょう。こっちもこっちで”ライフ”だし…

ルール

 面積無限の方眼紙をご想像下さい。1マスのことをセルと呼ぶとします。セルは、2bit(■か□)です。方眼紙の内容は、時間変化するものだとします。セルの状態はステップ(時間)が変わる時に隣接する8つのセルの状態によって、以下の表に従って変化するとします。

ルールはこれだけ!!!!!

例えば…

という具合。 一つ一つのセルに注目してもらえれば上の表の規則に従って色が遷移して言っていることがお分かりいただけるかと思います。

いやぁ、面白いですねェ。ワクワクしてきました。セルが■の状態である事を、生きている状態に見立てて、過密や過疎が過ぎると次の時代は死滅しちゃうよ、と。そこから名前が”ライフゲーム”と名付けられたわけです。一説によるとアメリカのとある州では住民がこのゲームに熱中し過ぎて経済が止まるから、禁止令が出たとか。え?いまいち面白さがピンとこない?そんな方には下の方でライフゲームの面白配置例を幾つか紹介します。少しネタバレめいたものもありますので、さっそく触ってみたいと思われた方は、今すぐググってみて下さい。無料でライフゲームができる方眼紙のサイトがたくさんありますよ。例えばこのサイト→https://playgameoflife.com/(著作権は製作者の方が放棄されてるので、ご安心を。)プログラミングを少しでもかじった事のある人なら、このゲームのアルゴリズム自体はそんな大したことないという事はわかるはず。。。このゲームの発案は、原題にもあるようにJohn Horton Conwayという数学者です。決してゲームクリエイターというわけではありません。平成初期に「平らかに成すゲーム」の異名で一世を風靡したテトリスも、ライフゲーム同様数学者が発案したものだったりします。Appleが新型コンピュータを発表したり、PS5が盛り上がったりしている昨今ですが、「技術の進歩≠遊びの面白さ」ということはテトリス並びにこのライフゲームが証明してくれる真実だったりすると思います。

 さて、そろそろここら辺から文章を読まない人も増えてきているでしょうから、ピンとこないついでに、ここで少しコンピュータクラブっぽいウンチクを披露。ライフゲームは

”チューリング完全”である!

という事が証明されています。この記事の中で最も情報系っぽいワードなので大きくしました。(この言葉だけでも十分勉強の価値があります。)要はそれ単体で計算能力を持ち、ライフゲームの上でプログラムを実行する事が可能なのです。ここを掘り下げ始めると、メタピクセルとか、セルオートマトンの話題に発展します。

ややこしい話は置いといて、ここでライフゲーム用語を二つ紹介。「振動子」と「移動物体」です

  1. 振動子
    • ライフゲームには、初めの置き方次第で消えずに周期的に同じ形が生まれる配置があります。その配置のことを”振動子”と呼びます。
    • 上記の遷移の例の内、3つが振動子ですね。(一番左:周期1 左から2つ目:周期2 一番右:周期2)
  2. 移動物体
    • “座標を移動してしまう振動子”が存在します。それが”移動物体”。
    • 最小の移動物体は5つのセルで構成されます。グライダーなんて呼称があったりします(ヒント:斜めに移動する)
    • 「無限に増殖するライフゲームの初期配置はあるか?」という問題の証明に、この移動物体を無限に生み出す配置を考案するというアプローチをとった人がいます。ちなみにこの問題には賞金がかけられていて、その金額は50$だったそう。(その証明ができたかどうかは是非調べてみてください!ご自身で証明方法探ってみるるのも面白いかも??)

このページ最下部に、代表的な振動子と移動物体の例を載せておきます。自分で発見したい!という方はブラウザバックを!!よくある振動子や移動物体には名前がついていたりします。グライダーとか、ギャラクシーとか、グライダーガンとかとか…

ここでクイズ!

上の3つの選択肢の中で消滅、若しくは振動子や移動物体のみになるまでに最も時間がかかる配置はどれでしょう?(ヒント:時間の選択肢 4・8・1103)

正解は是非次のサイトで実際に実験して確かめてみてください。→https://playgameoflife.com/

「この配置は何世代続くのだろう?」「なるべく大きくて長い周期の振動子を発見したい!」「この形を○世代目後に生み出すには?」「綺麗に安定した型に一手を加えてぐちゃぐちゃにしたい!」いろいろな妄想が膨らみませんか?気になった方は是非ニコニコ動画やGoogleでライフゲームを検索してみて下さい。(僕も受験期に数十時間をこのゲームに吸い取られました。だから冒頭のようなことに。。。)

人生の一部を、”ライフ”ゲームに興じてみるのも良いのでは?なんちって!※←これが言いたかった

※余談

1970年にこのゲームを構想したコンウェイ博士は、今年4月11日に新型コロナウイルス感染のため為、82歳で亡くなったそうです。遠方、日本の地より一人の遊び手として心よりご冥福をお祈りいたします。

ネタバレ注意!!

以下は、代表的な振動子と移動物体です。

左上から、グライダーガン、ギャラクシー、ペンタデカスロン、パルサー、八角形、宇宙船(軽量級、中量級、重量級)

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