はい!本日の執筆担当、2回生になりましたtyu-pandaです。RCCでは主にDTMをやっています。
今回は部室にあるCubaseを使って実際に曲を作ってみたので、その曲について説明していきたいと思います!
今年の学園祭PV用に作ったもののロングバージョンです。タイトルは特につけていませんが、さわやか系のトランスを意識しました!
こちらが作曲画面です。バージョンはCubase6です。
曲の構成とコード進行
今回作った曲の構成は次の通りです。全て8小節ずつの構成です。(”|”は小節の区切りを表しています)
イントロ1→イントロ2→Aメロ→Bメロ→エンディング
イントロ1:|G#m|E|B|F#|G#m|E|B|F#|
イントロ2:|G#m|E|B|F#|G#m|E|B|F#|
Aメロ:|G#m|G#m|E B|F#|G#m|G#m|E B|C#m|
Bメロ:|E B|F# G#m|E B|F# G#m|E B|F# G#m|E B|F# |
エンディング:|G#m|E|B|F#|G#m|E|B|F#|G#m|
ここで少しだけコード理論について書きたいと思います。
そもそも「コード」とは、簡単に言ってしまうと曲につけられる和音のようなもので、それぞれに役割があります。
今回の曲はG#マイナースケールで作っていますが、この場合、
G#m・B:トニック(以下T)
C#m・E:サブドミナント(以下SD)
D#m・F#:ドミナント(以下D)
という役割を持っています。
トニックは、聞く人に安定感を与えます。
ドミナントは、聞く人に緊張感や不安定感を与えます。
サブドミナントは、ドミナントほどではありませんが、聞く人に緊張感や不安定感を与えます。
では、今回の曲のコード進行をT・SD・Dを使って書き換えてみます。
イントロ1:|T|SD|T|D|T|SD|T|D|
イントロ2:|T|SD|T|D|T|SD|T|D|
Aメロ:|T|T|SD T|D|T|T|SD T|SD|
Bメロ:|SD T|D T|SD T|D T|SD T|D T|SD T|D|
エンディング:|T|SD|T|D|T|SD|T|D|T|
全体的に洋楽に近いコード進行になっています。
これはあくまで筆者の経験上の話ですが、邦楽ではSD→D→Tのコード進行が多く、洋楽ではSD→Tのコード進行が多い印象があります。SD→D→Tのコード進行は、曲が進むごとに少しずつ緊張感や不安感を高めていって最後のTでそれらを一気に解消するという構造になっているため、感情の起伏が大きく、情緒的なコード進行となります。一方SD→Tのコード進行は、さほど緊張感や不安感がない状態から安定の状態に戻るため、感情の起伏が小さく、クールな響きのコード進行となります。世間でよく「洋楽はクールでかっこいい」という言葉を耳にしますが、それはおそらくSD→Tのコード進行が洋楽で多用されているからだと筆者は考えています。
今回曲を作るときに、「さわやかでクールな曲にしよう」と考えていたので、SD→D→Tを一切使わず、逆にSD→Tを意識的に取り入れてみました。
使用した音源
作曲には、Cubase6に付属のマルチ音源「HALion Sonic SE(以下HALion)」とフリーのソフトシンセサイザー「Synth1」を使いました。
ピアノ・エレキピアノ・作曲画面の下の方にある”Drums”というグループトラックにあるパートはHALionで、あとは全てSynth1です。
ベース
(左からBass1・Bass2)
今回のベースは矩形波を基に作成しました。基本的には、コードの根音とその1オクターブ上の音とを交互に鳴らしています。このフレーズはテクノやトランスなどで幅広く使われています。
Bass2は、Bメロの最後に使用しています。この場所では、曲全体の緊張感をぐっと引き上げるため、低音域をカットした音色にしました。
パッド
(左からStrings・Synth Pad1・Synth Pad2)
曲の後ろでずっとなっている”パッド”といわれる音色ですが、今回は3種類の音色を使いました。
Stringsトラックで使った音色は、オーケストラなどでよく耳にする音色をイメージしました。シンセサイザーの特徴を活かして、曲が盛り上がるのに合わせて「filter freq」の値も大きくして、明るい音色に変化させています。
Synth Pad1とSynth Pad2で使った音色は一見すると同じに見えますが、2の方が1よりもfilterのアタック値が大きいです。これは、イントロでは全音符を使っているのに対して、Bメロでは2分音符を使っているため、同じ音色を使うとぎこちない響きになってしまうからです。
ドラム
ドラムはCubaseのドラムエディタを使って打ち込みました。
主にシンバル・ハイハット・スネア(ハンドクラップ)・バスドラムを使っています。
シンバルは今回2種類使用していますが、右と左に定位を分けています。さらに、それぞれのトラックにリバーブをかけてサラウンド感を出しています。
←Cubase6付属のリバーブ
リバーブは本来、残響音(エコー)の効果を出すためのエフェクトなんですが、今回はそれに加えて左右に音を広げる効果もつけています。まあ、元の音がほとんどサラウンド感ゼロなので、”気持ち広げた程度”ですが(^^;)
バスドラムにはEQ(イコライザー)をかけて、125Hzを下げて全体音量を上げています。
これは先輩のアドバイスによるものなんですが、100Hz付近の音量を下げると「硬い音」になって、よりトランス向きの音になるんだそうです。
ドラムのフレーズは、基本的にバスドラムを拍に等間隔でおいていくいわゆる「4つ打ち」で、ダンスミュージックなどでよく使われるフレーズです。
Bメロでは、ハイハットを所々トリッキーなリズムで打ち込んでいます。また、フレーズが単調にならないように、ハンドクラップの入れる位置を工夫しています。Bメロ最初の1小節は2拍目と4拍目、その次の1小節は2拍目と4拍目に加えて、3拍目の4分の1拍後ろに入れています。
作ってみて
今回は1分ほどの曲でしたが、「曲を作る」という作業をするにあたって、実にいろいろなことを考えて作らないといけないということを改めて認識させられました。
ここに書いたこと以外にミキシングやマスタリングもやりましたが、まだまだ未熟なもので、各トラックの音量バランスがとれなくて苦戦しています(汗)
今後は、そういった技術も身につけていきたいと思います。
最後になりますが、ここまで読んでくださった方、本当にありがとうございます!!
ではではノシ
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です。