こんにちは.渉外局長の2回生のいとさと(@it0sat0)です.
海外研修のことだったり,KC3の裏側だったり,RCCでの知見であったりと,いろいろ書こうと思ったことはあったのですが,今回はBMI技術について紹介したいと思います.

まず初めに,皆さん「ソードアートオンライン(以下,SAO)」というライトノベルをご存知でしょうか?
存じ上げないようでしたら,ぜひ調べてみてください.
タイトルにもなっているSAO,これは作品中に登場する「フルダイブシステム」を利用したMMORPGです.
このフルダイブシステムを開発したキャラクターが大学生である時代が,ちょうど今なんです.
これだけでオタクとしてはワクワクしてしまいます.たまらないです.はい.
同じ時代を生きているなんて,最高に楽しいですよね.はい.
閑話休題.

今回ここでご紹介したいのが,「フルダイブシステム」.
感覚器官を通すことなく,脳と直接情報のやり取りを行うことにより仮想の五感情報を与え,仮想空間を構築するという技術のことを指しています.情報を与えるのと同時に通常であれば脳から体に送られる電気信号を回収するため,仮想空間内でどれだけ動き回ったとしても実際の体は一切動くことがない.という特徴もあります.
作品の中だけのものかと思いきや,現実でもこの「フルダイブシステム」に発展できそうな技術の研究がおこなわれています.

その研究こそ,BMI技術.タイトルにもある,本題です.
身長と体重を使ってこにょこにょ計算するアレではなく,ブレインマシーンインターフェースのBMIです.
この技術,簡単に言うと脳と機械を直接つなぐ技術です.
脳科学の研究の一部として,文部科学省でも脳科学研究戦略推進プログラムとして研究されています.
具体的な研究内容としては,
1. 念じることでロボットアームを動かす
2. 目が見えない人に視覚情報を与える
3. 精神・神経疾患の新治療法の開発
などなど.
私がこのBMI技術を知るきっかけとなったライトノベル内でゲームに利用されているのとは違い,実際には医療・福祉の分野での利用に焦点を置いて研究されています.

方式としては2種類あり,侵襲式非侵襲式があります.
侵襲式というのは,いわゆる手術などをして皮膚の下に電極を埋め込む方法を言います.具体的には,細胞外記録と呼ばれる脳に直接電極を埋め込む方式などが挙げられます.(日本ではどうやら侵襲式は認められていないとかどうとかという話を聞いたことがあります)
逆に非侵襲式というのは,脳波など,手術などをして直接埋め込むことなく外部からデータを読み取る方式を言います.こちらの方が勿論人での研究が行いやすいため,こちらでの研究が進んでいますが,頭蓋骨などの影響で脳波が変わってしまうため,本当に正確なデータを取ることは難しいらしいです.

って感じの研究なんですが,普通に考えて,この技術すごくないですか?
10年以上前から始まっていた研究で,実際にマウスを用いた実験で,マウスが自身が乗っている車いすを念じて操作したという結果や,人間でも念じてロボットアームを動かし,アームが持っていたコップから飲み物を飲むことが出来たという結果も出ています.
素晴らしい結果なのですが,これらは全て侵襲式での実験です.
そのころでは,非侵襲式だと難しかったんだろうな~ということが簡単に想像できます.

SAOの中に登場するフルダイブマシン「ナーヴギア」は非侵襲式です.
作品の中では,頭の中に何かを埋め込むことなく,ただ被るだけで使用することが出来ています.
念じてゲーム内のプレイヤーを操作するのはすぐにでも実現できそうですが,最大の関門は,どうやって脳から体に送られる電気信号を遮断するかですね.
ヘタしたら呼吸を止めかねないですから……
これを実現するには後30年かかるなどといわれていますが,是非とも作品と同じ時代に完成してほしい……
将来は是非是非開発してみたいですが,それまでに完成しないかなとも思っています.
(早く遊びたいし)

ってことで,BMI技術を知っていただくきっかけになればいいな.というのがこの記事でした!

高校時代の自分の調べによると,BKCから物理的に近いところでは,京都産業大学の赤﨑先生や,京都大学の小林先生が研究をされているようです.
興味がある方はぜひもっと調べてみてくださいね~!!

 

おすすめ外部リンク
SAO原作公式サイト
京都大学 小林研究室 研究紹介
京都産業大学 赤﨑先生のコラム 人間の意志を直接機械に伝えられたら—ブレインマシンインターフェイス(BMI)で究極の福祉機器を—
日経電子版 「念じて動かす技術」BMI 難病治療の現場に広がる

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